理学療法士が建築家を目指してみた

「理学療法士」兼「介護支援専門員」の30代後半の医療介護福祉従事者が、「建築家」を目指し一念発起。住まいや環境などについて考えたことや、自分自身の考え方などを発信していくブログにしていこうと考えています。医療介護福祉関係の方、建築関係の方問わず、様々な意見を頂ければ幸いです。また、30代後半からの転職を考えている方にも何か参考になることがあればと思います。

「魅力」について考える

 ものすごく魅力があって、いつも多くの人々に囲まれている人がいます。

 「魅力」のある人の特徴としては、「芯があってブレない」とか「活動的で行動力が凄い」と言ったものがあると思います。エネルギーに満ち溢れている、という印象がある方にその傾向があり、無気力で怠惰な生活をされているような感じの人にはあまり「魅力」を感じないものです。

 

 この「人を引き付ける力」は、どのようにして発生しているのかについて、10数年前に親友から面白い話をしてもらったことがあります。

 人の「魅力」はどこから来るのでしょうか。

 今回はこの「魅力」というものについて私なりの解釈で物理的な観点から考えてみることにします。と、言っても、私も物理学の専門ではないので間違った解釈をしている部分もあり、難しい話はできませんのでお付き合いいただければと思います。

 

・簡単な物理のおさらい

・人間の「魅力」について考えよう

 

 

1.簡単な物理のおさらい

 

 人間を含め、この世のあらゆるものは原子を基にする物質で構成されています。

 物質は様々な運動をするのですが、その中で「回転運動」という運動があります。グルグルと回る運動のことです。回転運動によって生まれる力と言えば、有名なものは「遠心力」ではないでしょうか。

 水の入ったバケツをグルグルと回転させると、バケツが逆さの時にもこぼれることなく回り続けるという実験は誰しもが一度は見たことがあると思います。

 

 この「遠心力」という力は、角速度という回転する「速さ」に比例して大きくなります。バケツを回す速さを速くすると、よりバケツに引っ張られる力が大きくなるのが分かると思います。回す速さを速くすれば速くするほどバケツが腕から離れて飛んでいく方向に力が働きます。

 しかしバケツをしっかりと握っていると、バケツは飛んでいくことなく回り続けます。これは、遠心力の反作用の力として腕がバケツを引く力、「向心力(求心力)」という力が働くためです。「遠心力」と「向心力」の作用反作用のつり合いが取れていることで、人とバケツは一定の距離を保って回転運動を続けることができるのです。

 

 次はもっと大きな話になって、天体の話になります。

 我々の住む地球においても、かの有名な科学者がリンゴの落下を見て発見したと言われる万有引力の法則で知られる「重力」がかかります。この重力は、その惑星の持つ「重量」に比例して大きくなることが分かっています。地球の周りを月がクルクルと回り続けているのは、双方の重力を向心力としてお互いに引き付けあいながら、遠心力との絶妙なバランスの下で回転運動を行っているからと言われています。

 

 先の遠心力と向心力の話になりますが、回転する速さが速くなると遠心力増大の反作用として向心力が大きくなるため、その惑星の重心に引き付けられる力が強くなり、その惑星はギュッと密度が高くなってさらに重たくなります。ものすごく強い重力を持ち、光までも吸い込んでしまうブラックホールと呼ばれる天体がありますが、このブラックホールは、なんと光速の80%以上のスピードで自転しているものも存在すると言われています。それほどの回転速度で回ることによって、周囲の物質を引き寄せ、質量を持ち、さらに周囲のものを引き込んでいくのです。

 

 このように物質の物理的な面を考えると、「引き寄せる力」が見えてくるような気がします。

 

 

2.人間の「魅力」について考えよう

 

 それでは、物理的な話を頭に入れたまま、人間の「魅力」について考えてみます。

 

 まず「人間の活動」を「物質の回転運動」と同じように捉えてみます。

 活動的で行動力がある人は、すごい速さで回転している物質と言えます。ものすごく速く回転することによって、遠心力が強く働くことになります。これは、その人の持つ外に向かう力、すなわち「発信力」と見ることができます。速く回転すればするほど強い遠心力がかかるように、活発に行動を起こすことによって多くの人と出逢い、その行動が人々に様々な形で発信されて伝わるようになります

 

 遠心力が大きくなると言うことは、その反作用として向心力が高まります。発信力が大きくなり多くの人に影響を与えることによって、その力に呼応するようにして人々が引き寄せられてきます。物質が集まることで重量が増えるように、人が集まっていくことによってその人の「影響力」はさらに高まっていきます。そうすることでさらに多くの物質を取り込み「重力」が強くなるように、人が人を呼び、その人間の「魅力」表れてくるのではないかと考えられるのです。魅力的な人はそう、ブラックホールそのものなのです。ただ一点、輝いて見えることはブラックホールと異なりますが。

 

 また、回転運動に関する物理的な効果として「ジャイロ効果」と呼ばれるものがあります。自転する回転速度が速いほどその姿勢を変えにくいという性質です。これを魅力のある人に置き換えて考えると、先に述べた通り凄い速さで回転している物質と同じ状態であると言えますから、姿勢を変えにくい、つまり「芯があってブレない」ということにつながっているのではないかと思われます。

 

 自分の身の回りの「魅力」的な人を思い出してみるとどうでしょうか。そのような人たちは、ただ漫然と毎日を過ごしているのではなく、何か自分の求めるものに対してひたむきな努力をしていたり、自分の生き方に対してのこだわりを持っていたり、という過ごし方をされているのではないでしょうか。そしてそのような姿に周囲の人が感化され、集まっているように思われるのです。

 

 

 このように「魅力」というものを考えていくと、「魅力」というものそのものは形を伴わない非物質的なものなのかもしれませんが、物理の法則に従って人は引き付ける力を持ち、あるいは引き付けられていくのだと思われます

 この理解で行くならば、人としての「魅力」を持ちたいと思うときには、自分自身が心から望む姿を目指して邁進することに尽きるだと感じます。そしてそのような生き方を選択することによって、誰しもが「魅力」的になることが可能であると言えます。

 「魅力」を持つ人が特別なものでできているのではなく、先に述べたように、全ての人間が同じように原子を基に構成された物質なので。